松岡病院

佐賀県鳥栖市西新町。精神科救急、内科救急指定。認知症専門病院。佐賀県物忘れ相談ネットワーク登録病院。

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新着情報

くれないかい10月(C型慢性肝炎治療の歴史と進歩)更新しました。

  すっかり秋景色に変わりました。体調はいかがでしょうか?前回は糖尿病治療の歴史と進歩をご紹介しました。今月は佐賀県で最も多いC型慢性肝炎についてご紹介いたしましょう。

 

C型肝炎ウイルスの同定

  1970年代に非A非B型肝炎と呼ばれていた疾患ですが、1989年に米国のChooらがウイルスを同定し「C型肝炎ウイルス」と名付けました。感染経路は輸血によるものが主でしたので1999年にC型肝炎ウイルスの遺伝子を検出することが出来るようになりC型肝炎に感染した血液製剤は輸血される心配はほぼなくなりました。現在は1992年以前に血液製剤の治療を受けた人にC型肝炎に感染している可能性があります。また、ピアスや刺青などによる感染がみられます。C型肝炎は感染すると約7割が慢性肝炎に移行します。ゆっくりと肝臓の繊維化が進行しやがて肝硬変、肝がんが発生していきます。佐賀県民はC型肝炎検査を無料で受けることができます。保険所へお尋ねください。

 

C型慢性肝炎の治療の進歩

 ▽1992年より基軸となっていたのはインターフェロン療法(注射)でした。しかし日本にあるC型肝炎の2つの型の1群にはあまり効果がなく、ウイルス消失は10%未満でした。

 

 ▽2001年よりインターフェロン+リバビリン療法

 

 ▽2004年よりペグインターフェロン+リバビリン療法(注射+内服)でようやく40%前後のウイルス消失がみとめました。

 

 ▽2011年よりプロテアーゼ阻害剤+ペグインターフェロン+リバビリン療法(注射+内服)80%近くの効果が認めましたが、発熱、皮膚症状などの副作用も出現しました。

 

 ▽2011年より経口抗ウイルス剤の登場になります!ダグルインザ+スンバプラの2剤の内服12週間85〜89%の患者のウイルスが消失します。

 

 ▽2015年よりハーボニー配合剤の登場で1日1錠2週間の内服で国内試験では1群患者のウイルスが100%消失しています。2群患者ソバルディ+リバビリン療法の2剤内服で12週間 95%以上の効果があります。

 

 ▽2017年よりマヴィレット内服で8週間、全ての型に適応があり腎機能障害患者や従来治療で不成功の患者も有効であり大幅に進化した薬剤が登場しています。その他ここには記載していない新薬、配合剤が数多く登場しています。

 

C型慢性肝炎の治療の費用

 例えばハーボニーは1日1錠8万円、3ヶ月で約670万円になりますが、肝炎治療受給者証の交付を受ければ月1〜2万円、3ヶ月3〜6万円で治療が受けられます。

 

  いずれも肝炎専門医施設での治療となりますのでお尋ねください。

最近のC型慢性肝炎の治療の進歩は目覚ましいものがあります。

必ず専門医による遺伝子検査にて判断されますので受診すべき医療機関をご確認ください。

 

 

 

  2019/10/03   matsuoka