〜人工知能とは？（前編）〜
前人未到の２９連勝を達成した１４歳の藤井４段は将棋AI（人工知能）で育ったデジタルネイティブ世代です。序盤、中盤とAIで学んだ確実な指し手と、終盤の疲れを感じない指し手で相手を圧倒して勝利を重ねました。しかし彼の強さは古典的な詰将棋とAIの融合によってAIが刺せない完成度の高い指し手だと分析されています。１５歳になった藤井４段の今後の活躍が将棋ファンでない私も楽しみです。そこで、気になったのがAIです。医療の分野にも今やAIなしでは、いや、AIに負けてしまうかも？という時代が到来するかもしれません。今月と来月にかけてAI（人工知能）特集！といっても膨大な情報ですので、今分かっている医療とAIについてごく簡単にご紹介しましょう。
AI(artificial intelligence)人工知能とは？
人間の脳が行なっている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトやシステムということですが、なんだかピンとこないですよね。「人工知能は人間を超えるかディープランニングの先にあるもの」の著者である松尾豊さんは「人工的に作られた人間の様な知能」とわかりやすく書かれています。身近なわかりやすい人工知能はiPhoneの音声対話システム「Siri」、ソフトバンクの「Pepper」は人工知能搭載のロボットで、店頭に立っている姿が可愛いですよね。
AIの歴史は？
第一次ブームは1960年代、第二次ブームは1980年代、そして2010年以降に第三次ブームが今も続いています。
AIのレベル と 弱いＡＩと強いＡＩ
-
レベル１ 言われることだけをする
-
レベル２ 規則を理解して判断する
-
レベル３ ルールを改善してより良い判断ができる
-
レベル４ 自分で判断基準を設計し判断できるレベル４
４段階のレベルがあります。
温度調整機能があるエアコンや冷蔵庫はレベル１、お掃除ロボットはレベル２、パソコンの検索エンジンなどはレベル３に該当しますが、レベル３、４では機械学習、深層学習（ディープランニング）という技術が必要になってきます。
また、ＡＩには弱いＡＩと強いＡＩがあります。弱いＡＩは特化型で人間の脳が持つ機能のうち特定のことができ、認識、検索、予測などの機能に限られます。弱いＡＩの能力はすでに人間を超えているものが実用化されています。強いＡＩは汎用型で、人間の脳と同じような機能を持ち自意識、想像力、目的設定能力などをもち、まだまだ開発段階です。ここからはぐんと専門的になりますので、興味のある方は調べてみてください。
現在、本当の意味のAI=人間の様に考えるコンピュータは発明されていません。各国の国家的プロジェクトはもちろん、Google、Facebook、Microsoftと圧倒的なIT企業が開発を進めている中できっと近未来には優れた人工知能が発明され、人間との共存が必要になるでしょう。
それでは、来月は本題である『医療とAI』について、ご紹介しましょう。自分で学習し、判断する人工知能が医療の中で、どこまで活躍していくのか？医師の代わりになるのか？なんだか面白い、そして、少し怖い世界が広がっているようです！お楽しみに。
