連日35℃越えした酷暑の夏もようやく秋にバトンタッチしてくれているようですが、みなさまの夏疲れはいかがでしょうか?これからぐんと過ごしやすくなる時期に、ぜひ、心にも身体にも良い食事、運動、趣味の計画をたてて、実りの秋を楽しんではいかがでしょうか?さて、今月はAIの後編、医療分野におけるAIの活用をご紹介しましょう。
活用されている医療分野でのAI
すでにAIは医療現場で活用され始めています。
- 患者さんからの問診や臨床検査から臨床情報を収集します。
- 得られた臨床情報を解釈し他に必要な情報は必要か否か、情報収集戦略を立案します。
- すべての臨床情報より診断の仮説を立て診断名を提示します。
- 診断が決定後は治療計画を立案します。
- 治療手技として、一部の領域ですが、手術支援ロボットが活躍しています。
症状を聞くのは AI !?
「熱っぽいのですが?」 「いつからですか?」
「昨日からです。」 「何度ありますか?」
「37.8度です」 「咳や鼻水などは?」
「のどが少し痛いです」 「ほかに痛いところは?」
このように自動問診補助システムを搭載したAIと会話をしていくだけで、医学書や論文など膨大な情報の中から患者さんに必要な検査や、診断をしてくれるようになります。
検査や画像を分析するのも AI !?
画像検査において、正しく読み取ることは経験が必要です。人間の医師にとっても結構難しいものです。微細な画像変化を見落とすこともあり、他の医師たちと読影をし、細かな経過観察の指示をします。その点、AIのほうが見落としの可能性は少ないでしょう。レントゲン写真、超音波検査、CT、MRI、PETなど医療検査も進歩を続けます。それぞれの所見を解析し、診断補助として結果を出すのはAIが優れているといえるでしょう。
治療の世界への AI の進出 !
すでに外科手術において、ダヴィンチといわれるAI搭載手術支援ロボットが活躍しています。もちろん、医師が操作するのですが、小さな創より内視鏡とロボットアームを挿入し高度な内視鏡手術が可能となっています。術野の拡大はもちろんのこと、微細な動きを制御し、出血量も少なく、一度ロボットを使用すると戻れないと外科医は言います。
介護に貢献する AI !
認知症治療でのAI活用は石黒浩阪大教授らが生み出したアンドロイド「テレノイド」が活躍を始めています。一見表情のない上半身のみの「テレノイド」ですが、高齢者が抱きかかえて会話すると情緒安定効果が得られることが分かりました。時間制限なく患者を見守ることが可能であり超高齢社会への貢献を目指して実社会への適応事業が進められています。今後AIの開発は加速されてくるでしょう。AIを作り出すのは人間ですが、人間の様な知能を備えた強いAIが生まれた時の人間社会は?不安でも畏怖でもなく、AIの能力と人間の能力を活かし、認め合い、共存することで新たな未来が見えてくると期待をしましょう!