新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために
正しい感染対策意識を高めましょう!
まずは、感染経路別予防策を確認しましょう。
かつてないウイルスの蔓延に世界中が封じ込めるべき対策を講じて居ます。日本においては2月25日に政府は対策基本方針を決定、28日には安倍首相より全国の小中高校の休校要請を行い、北海道においては「緊急事態宣言」が出されています。世界的な緊張の中で、私たちは確かな情報の提供のもとで一人ひとりが正しい感染対策意識を高めることが大切です。医療体制においてはまずは帰国者・接触者外来での対応から指定医療機関での治療を行い、患者数の増大の場合に一般医療機関への受け入れ等体制を整備していく予定です。新型インフルエンザ対応でも行った電話等での処方箋発行なども検討されています。重症者の受け入れが円滑になるように整備が必要です。マスク、消毒薬等の増産も始まっています。今だからこそお一人お一人が冷静な対応を心掛けましょう!
さて、皆さんは、接触、飛沫といった感染経路をご存知でしょうか?新型コロナウイルス感染症は現時点では接触感染および飛沫感染により感染するといわれています。そこで今月は感染の基本である経路別感染予防についてお話ししましょう。
感染経路とは?
ウイルスや細菌などの微生物が人体に入り込む経路には主に4種類あります。
経口感染
ウイルスや細菌に汚染された物を食べた場合や、感染した人が調理中に汚染した食品を食べた場合に感染する事です。糞便が手指を介して経口摂取される場合を糞口感染といいます。
代表的な感染症;
ロタウイルスや、ノロウイルスによる感染性胃腸炎、A型肝炎ウイルスによるウイルス肝炎、疥癬、流行性角結膜炎、薬剤耐性菌による感染症など
接触感染
皮膚や粘膜の直接的な接触、または手すりやタオルなどを介しての間接的な接触により病原体が付着する事で感染する事です。医療関連感染で最も重要で最も頻度の高い感染経路です。
代表的な感染症;
アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)インフルエンザウイルスによるインフルエンザなど
予防策;
手袋、ガウンの着用、手指衛生の励行、患者移動が必要なときは感染部位を覆う、医療機材は患者専用とし使用後の洗浄、消毒の励行
飛沫感染
ウイルスや細菌が咳、くしゃみなどにより唾液や気道分泌物に包まれて空気中に飛び出し(飛沫)約1mの範囲で人に感染させる事です。
代表的な感染症;
インフルエンザウイルスによるインフルエンザや風疹ウイルスによる風疹、百日咳、流行性
耳下腺炎、マイコプラズマ肺炎など
予防策;
個室への収容が望ましいが、ベッド間の距離を1m以上に保ちカーテンなどの障壁を設ける。サージカルマスク着用
空気感染
ウイルスや細菌が空気中に飛び出し小さい微粒子(飛沫核)となって空気中を漂い広範囲に拡散し人が吸入することによって感染させる事です。
代表的な感染症;
麻疹ウイルスによる麻疹、結核菌による結核、水痘など
予防策;
独立空調で陰圧管理のある個室が原則、N95微粒子用マスクまたはそれ以上の高レベル呼吸器防護用具の着用
標準予防策
標準予防策は感染症の有無にかかわらずすべての患者のケアに対して適応する感染予防策です。基本は手指衛生、必要な場合に身につける個人防護具としてのガウンやマスク、ゴーグル、手袋の着用、環境対策や患者の衣類の取り扱いに対しての予防対策です。
感染経路別予防策は標準予防策に加えて実施する対策です。新型コロナウイルスの予防は飛沫感染予防と接触感染予防になります。感染蔓延防止のためにはもらわない!広げない!感染経路を断つ事が最も重要かつ簡単な対策になります。もちろん、お一人お一人が十分な睡眠と十分な栄養をとり健康管理を行って自己免疫力を高める事が大切です。3月が正念場です。正しい情報のもとで確かな感染対策を行っていきましょう!