令和元年が始まり一か月、ご自分のために何かを始められている方もいらっしゃるのではないでしょうか?心地よく生きていくために大事にしたいのはやはり健康です。5月は健康診断の話でした。今月はさらに一歩進んだ意識改革として「ヘルスプロモーション」についてお話しましょう。
ヘルスプロモーションとは?
WHO(世界保健機関)が1986年のオワタ憲章で提唱した21世紀の健康戦略で、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし改善することができるようにするプロセス」と定義されています。健康づくり戦略の目標は「すべての人々があらゆる生活舞台で健康を享受することのできる公正な社会の創造」です。実は国を超えた活動であり争いや貧困、ジェンダー差別など健康に影響をおよぼすすべての要因に対して問題を共有し仕組みや技術、コミュニケーションを考えるグローバルな取り組みなのですが、ここでは皆さんお一人お一人の活動視野でお話したいと思います。
ざっくりと私の解釈としては、自分で自分の健康状態を把握でき良好な状態に自分をコントロールできるように生活の場を改善していくことでしょうか。そう!「運動したいけど忙しくて、、、」と呟くあなたのために国は地域や職場にペナルティーを科して国民一人一人が健康づくりを意識できるような社会づくり活動を始めています。
ヘルスプロモーションの特徴
- ゴールは幸せな生活を送ることです。そのための資源として健康があります。
- 主役は住民(あなた自身)です。自分自身のライフスタイルに注目し、専門家や周囲が健康づくりのサポーターになります。
- 健康教育は住民に提供されますが、環境づくりも同時に行われます。
- 健康づくりは生活の場で行われ、住民を取り巻くあらゆる場所が対象です。
ヘルスプロモーションのプロセス
- 健康に取り組むこと周りの人にささやくこと(唱道)から始めましょう。
- 活動の開始はご自身もサポートである専門家たちもそれぞれに必要な能力を身につける(能力の付与)が必要です。
- 活動を推進するときには人、モノ、時間、ネットワークなどを調達しスケジュール管理をしながら人々の心を一つにまとめプロジェクト全体を管理していく(調停)が必要です。
ヘルスプロモーションの戦略
- あなたを支えている暮らしを保証するための健康的な公共政策づくりを行います。
- 健康を支援する自然環境、家庭環境、職場環境、学校環境、地域環境を整備することで健康づくりを支援します。
- 地域に存在する住民組織を活性化し地域活動の強化を行います。
- 専門家が健康づくりの技術を身につけられるように住民一人一人に働きかけや取り組みを行い個人の健康づくりの技術の開発に取り組みます。
- これまでの疾病対策事業をより積極的な健康づくりの場としてヘルスサービスの見直しを行います。
今月は少々難しい話になったかもしれません。
世界ではいまだに戦争が絶えません。日本は平成30年間で戦争こそ起ってはいませんが世界でトップを走る少子高齢化の国です。老々介護、高齢者の交通事故問題や、幼児虐待など個人では対応困難な問題が噴出しています。
また一方では高額な薬剤の保険医療の使用開始など膨らむ医療費に対して、余命判断を求められるのではないかと危惧もしています。人生を幸せに送るためには皆さんがヘルスプロモーションを知り意識して活動を始めることが必要です。
まずはお一人お一人が今の自分の体調はどうなのか?心と体は大丈夫なのか?健康でいられるような生活ができているのか?心地よくいられるような生活がどうしたらできるのかを自分と向き合って考えていただきたいと思います。
そのための社会支援、家庭支援、医療保険支援は増えています。自己コントロールが出来ている人(いわゆるヘルスプロモーション意識のある人)の生き方は心強くなってきています。まずは意識改革に取り組まれてください。
さぁ、ヘルスプロモーションを始めましょう!