松岡病院

佐賀県鳥栖市西新町。精神科救急、内科救急指定。認知症専門病院。佐賀県物忘れ相談ネットワーク登録病院。

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新着情報

くれないかい4月(救急の際に使われるお薬をご存知でしょうか?)更新しました。

    今年の桜は例年より早く咲き、その姿も1〜2週間ほどで余韻を残したまま葉桜に変わりました。一年前、緊急事態宣言の中静かに咲き誇る桜を窓越しに不安な思いで見つめていたことを思い出します。しかし医学の進歩は素晴らしく、数年かかるといわれたワクチンですが、一年後世界中で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まっています。当院はまだ接種を待っているところですが、病院ではワクチン接種の準備を整えています。今月はワクチン接種会場でも常備されている救急医薬品についてご紹介しましょう。

 

あっという間!

全く痛くなかったワクチン接種(接種済み医療関係者より)

 松岡病院ではワクチン接種は予定より遅れて4月以降になりそうです。すでに接種済みの医療関係者からの多くの感想は「あら、痛くない!」もちろん、針を刺す感覚はありますがインフルエンザワクチンの皮下注射より痛くはなく、翌日「少し、肩こりの様な痛みが残るかな?」その程度のようです。近隣の高次医療機関では現時点までにアナフィラキシーなどの重い副反応の報告はありません。

 4月からは高齢者への接種も始まる予定ですが、当院はスタッフと入院患者を対象に接種します。外来患者さんにおかれましては地区の接種登録医療機関にて予約をされて接種を受けられます様お願いいたします。

 

ワクチン接種会場では過敏反応等に対応できる体制が整えられています。

  新型コロナウイルスワクチン接種会場では接種に伴う重度の過敏症への対応として酸素、点滴、救急医薬品や医療備品等が常備されています。

救急医薬品は主にアナフィラキシーに対する治療薬ですが、救急時に使用する代表的な医薬品でもあります。重度の過敏症であるアナフィラキシーはワクチン接種後30分以内に起こり

ます。アナフィラキシー反応については3月のたよりに載せている厚生労働省のポスターをもう一度ご確認ください。

 

アナフィラキシーの第一選択治療薬はアドレナリン(ボスミン)の筋肉注射

 よく、緊張した場面や、ここぞという勝負の時に「アドレナリンが出ている!」と言います。アドレナリンとはなんでしょう?アドレナリンは私たちの体の主に副腎という臓器から出ている生きるために描くことが出来ない最も大事なホルモンであり、神経伝達物質でもあります。ボスミンというのはアドレナリンの商品名です。救急車で搬送された重症患者に心肺蘇生が必要な時にも「ボスミン!投与!」と指示が飛びます。

アドレナリン(ボスミン)の主な作用は血管を収縮させ血圧を上昇させます。心臓に働き、心拍数を増加させ心機能を亢進させます。また気管支に働き、気管支を拡張させます。その他にも体をアクティブにするためのさまざまな働きがあります。アナフィラキシーには即効性かつ有効性の最も高い治療薬です。

ワクチン接種の際のアナフィラキシーによるショックや痒み、呼吸困難には第一選択薬として使用されるので知っておきましょう。

「エピペン」というアドレナリンを一回分だけ自己注射できる製剤があります。これは過去にハチや食物、薬品などによってアナフィラキシーを起こした人に緊急対応のために処方されたキット製剤です。アナフィラキシーの既往があり常に携帯している人は今回の新型コロナウイルスワクチンの接種会場にも必ず持参するようにしてください。

 

全国の緊急事態宣言は解除されましたが、新規感染者は高止まりの状況です。佐賀でもカラオケクラスターや会食による感染者が後をたちません。感染リスクが最も高いのは密な空間の中で大声を出し、唾が飛び交う行動をして共に過ごした場合であることは間違いありません。楽しい時間の後に後悔があってはいけません。ましてや命取りになっては悔やみきれません。コロナ収束のために、今年度は健やかに過ごせるように、一年間辛かった私たちの経験を生かしてもう少しご一緒に頑張りましょう!

  2021/04/01   matsuoka