共に乗り越えるために今、大切なことを考えてみましょう。
9月に入り昼間はまだまだ暑いながらそれでも少し朝夕の澄んだ秋風を感じます。みなさま、季節を感じる余裕はありますか?コロナ禍が私たちの身体ばかりでなく、心も、社会にも感染を拡大させています。皆さんから笑みが消えつつある今、負の連鎖に陥らないようにしましょう。コロナと上手く付き合うには正しい知識を学ぶこと!不確実な情報から生まれる差別や偏見から自分自身を見失わないようにしましょう!
間違った情報で過剰に反応していませんか?
「コロナに感染した人は自粛せず出歩いた人たちだ。」「都会からくる人はみんな感染者だ。」「コロナの感染拡大をするのは若い人達だ。」「コロナが怖いので自宅から一歩も出ないようにしている。」「コロナになったら差別されるので、具合が悪くても言わない。」等々。
そう、皆さんはわかっています。冷静になれば、コロナの感染は密閉、密集、密接の3密で起こりやすいこと、一般的な手洗い、手指消毒、適切なマスク着用、健康管理を行うことが最も効果的な対策であることは十分理解しています。ただ長引くコロナに心が感染して、過剰に反応してしまうのです。不安や恐怖が他の誰かのせいにしてしまうのです。
病気に対する偏見をしないことが心の感染予防
以前から糖尿病などの慢性疾患や、エイズなどの感染症は生活に問題がある人がかかる病だという世間の偏見や差別があります。コロナも基礎疾患がある人は重症化リスクが高いため恐れや不安ばかりが目立ってしまいます。もちろん持病のコントロール状況が悪ければリスクが高くなりますが、これは体調が悪い人が風邪をひきやすいのと状況は変わりません。病の本質より他人の目が気になってしまいます。病になるのは不摂生だから、自分が悪いのだからと偏見が生まれています。コロナはひそかに心へ社会へ感染拡大しています。決して病の人が私たちの敵ではないのです。偏見を持たないこと。心の感染予防に気づいてください。
パーソン・センタード・ケアという考え方
英国のTom Kiwoodが提唱した認知症ケアの理念にパーソン・センタード・ケア(Person-centerd Care)があります。
すべての人に価値があると認め尊重し一人一人の個性に応じた取り組みを行い認知症を持つ人の視点や人間関係の重要性を強調したケアのことです。
ガイドラインには①価値を認める②個人の独自性の尊重③その人の視点に立つ④相互に支え合う社会環境を提供するという4つの要素があります。コロナ感染症のケアは急性期疾患なので認知症のパーソン・センタード・ケアの理念をそのまま当てはめるのは無理がありますが、ケアの意識改革という面ではコロナ感染症にも応用できる考えです。
突然コロナ感染症と診断され隔離を余儀なくされた人、生死の闘病をしている人、身内に会えないまま濃厚接触者として経過観察をしている人、仕事、学業、生きがいを奪われ心身ともに疲弊している人、それぞれの人の立場、価値を認め尊重しその人の視点に立って支え合う環境を考えなければ病の人も支える人も心の感染を引き起こます。余裕がないからこそ立ち止まって考える、第二波の感染対策が必要なのです。
ピープル・センタード・ケアという考え方
パーソン・センタード・ケアに似た言葉でピープル・センタード・ケア(People-Centered Care)があります。これは市民が主体となり医療従事者とパートナーを組み自分の健康問題の改善に向けて取り組むことです。パートナーシップに必要な8要素は①互いを理解する②互いを信頼する③互いを尊敬する④互いの持ち味を活かす⑤互いの役割を担う⑥共に課題を乗り越える⑦意思決定を共有する⑧共に学ぶです。
コロナ対策にも応用できるケアです。世界中に蔓延しているコロナ、沈下しない原因を人々が他人へ責任を押し付けたり、非難したり、怒りや恐れを持ちいがみ合っていてはコロナの思う壺です。国のトップ同士が非難し合う姿は悲しいものです。人類の叡智で共に乗り越えるためにはお互いの理解と協力、そして何よりも互いの尊敬が感染対策の処方箋です。
今考えたい大切なこと
どうしてこんなことになったのだろう。。。本当にそうです。だからこそ、何をしたらいいのか、何を慎んだらいいのか、みんなで考えましょう。悪人探しは心が疲弊するばかりです。今できることを考える。みんなで一緒に考えましょう。決してあなた一人ではありません。みんなと繋がっています。共に乗り越えるために、今大切なことを考えてみましょう。
お暇の時に日本赤十字社の「ウイルスの次にやってくるもの」http://campaign.jrc.or.jp/kansensho/をご覧になってみてください。さぁ、背筋を伸ばしてみてください。気持ち良い秋風を感じましょう。
これからは笑顔になれる情報をお送りしていきたいと思います。